前回は、スーツを買う時のジャケットの試着ポイントを書きましたので、今回は引き続きパンツ編です。
パンツにもジャケットと同様に適正なサイズというものがありますので、ひとつひとつポイントを説明していきたいと思います。
ウエスト
パンツを試着する際にまず合わせるところは、みなさんも行っているようにウエストサイズです。
ウエストは3センチくらい自分のウエストより大きいサイズにします。パーにした手が入るくらいの余裕をもたせます。
このサイズを選ぶとベルトを締めてもシワができませんし、少し余裕があるので食事などでお腹が少し膨れても大丈夫です。
ゆるいとシワができてしまいますので、今のパンツがそのようになっていたら丈つめをお願いしてください。
買ったところでなくても、街なかにあるお直し屋さんに持っていけば1000円前後でやってくれると思います。
パンツを履くときはおへそあたりでベルトを締め、腰骨に当たるまで少し降ろすくらいがちょうどよく履けています。

お尻
パンツを合わせる時に一番重要なのはウエストではなく、実はお尻部分なのです。ヒップのフィット感がきれいに魅せるポイントになります。
ウエストを合わせて、立ったときにどこにもシワがないようにします。
ヒップ下には大きなたるみを作らないように自然にカーブにフィットさせるように合わせていきます。
このヒップ下の部分にシワができてしまうとかっこ悪いのでお尻のサイズに合わせて選びます。

ももまわりは適度なゆとりをキープし、お尻から太ももにかけてすっきりとしたラインを保つようにします。
股下にシワが入るのはパンツが小さすぎる可能性があります。
みなさんは大丈夫なのですが、お尻にボリュームがない人はよくたるみができてしまいます。

前からだけでなく、後ろや横からもよく見てラインがきれいか見てください。
サイズが合っていないと脇の前部分にシワやたるみができてしまいます。
きちんとデザインされたパンツになると、パンツの形が体の形に合うようにできているので膝から下にもシワが入りませんが、きちんとデザインされていないパンツだとパンツがふくらはぎに当たり、シワやヨレができてしまいます。
ウエストはお直しがし易いので、ウエストよりも、ヒップを自分のサイズに合わせて買うと、きれいにパンツが履きこなせます。
太いスーツパンツ
シワがよらなければ良いのであれば、パンツを太くすればシワにならないし、ゆったりと楽に着れるじゃないかと閃いた人!
残念ながらそれはハズレです。。
実は体の形にフィットしているほうが動きやすいし、細くて体にフィットしていたほうが視覚効果で足が長く見えるしシルエットも美しく見えます。
しかもパンツが太く、ダボついていると欧米人からは貧相に見られてしまいます。
スーツは自分の欲求よりは他人のために着るものですので、他人に見られて美しいというのが基本的な考えかたになっています。
着ている本人も他人からきれいに見られた方がいいですものね。
裾丈
パンツの裾丈はシワが出ないようにぎりぎりが美しく見えます。
裾丈が長すぎて靴に当たるとシワが入ってしまうし、しかし、だからといって短すぎるのも格好良くありません。
靴を履いたときに、足の甲の上ぎりぎりの長さが理想的です。しかしそれだと座ったときにパンツが上がってしまって靴下どころか、靴下が短いと地肌まで見えてしまいます。
靴下は下着と位置づけられているのであまり見えすぎると行儀がよくありません。そこで座ったときのことを考え、少しパンツの長さを長めにする人もいます。
長くすると、立っているときに足の甲の上にシワが入ります。この長さをワンブレイクといいます。
もう少し長くし、シワが2つもしくは、深いシワが入るものをダブルブレイクといいます。
長いと立った時にシワができ、短いと座った時に靴下が丸見えになる。
どれも一長一短があるのですが、最近のトレンドとしてはハーフブレイク、もしくはジャストサイズです。
その理由は、クッションがない方が視覚効果で脚が長く見える効果があるからです。
裾幅も細いとよりいっそう長く見えます。
日本人特有の体型の悪さをカバーする着こなし術です。
マッチョのみなさんは太もももふくらはぎも太いので、足が短く見られがちです。
ですので、スーツパンツの裾丈はなるべくシワができないようジャストサイズにして足を長く見せましょう。そして座ったときのことを考えて長めの靴下を履き、座った時に素肌が見えないように気をつけて少しでも足を長く見せるようにしましょう!
パンツはジャケットと比べるとシンプルなので気にするところも少ないですが、その分合わせないとすごくだらしない印象を残すものなのでじっくりと試着して体のサイズに合わせていきましょう。